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ここは「るろうに剣心」二次創作小説サイトです。 詳しくはAboutよりどうぞ。
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「あ~~!悔しい~~」

快晴の空の下、神谷道場から響いてきた声は、操のものだ。

「緋村、あんた強すぎぃ~~」

縁側で手足をバタつかせる操の目の前には、剣心がニコニコと座っている。二人が向かい合っているその間にあるのは、碁盤が一つ。
盤上には白と黒が、その領域を競い合っている。

「はは。操殿もなかなかのものでござったよ。」

「きぃ~~~~っ何なのよっ!その余裕っぷりな態度っ!!むかつく~っ!もう一回っ!もう一回勝負よっ!」

操の負けず嫌いの性格にさらに火がついたようだ。その目は剣心を睨み付けながら、碁盤に散りばめられた石を集め、始める準備をする。
と、そこへ盆を両手に抱えた薫が現れた。

「あら?操ちゃん、また負けちゃったの??」

「薫さんっ!聴いて~!にくったらしい緋村ったら、こォ~~んな顔するのよ~!」

操の「こーんな顔」を見て、薫はもちろん、剣心も苦笑いする。

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♥ つづき


「ところで薫殿・・・、」

蛍が飛び交う川原で、一頻り抱き合った二人は、家路をゆっくりと歩いていた。

剣心の手には提灯と、そしてもう片方の手には薫の手を絡ませていた。

薫はその腕に寄り添い、月明かりに揺れる二人の影はピタリとくっついていた。

剣心が薫を見下ろしながら、穏やかに喋る。


「何故、あの場所にいたのでござるか?」
 

窓から見える月は、満月だった。

剣心は軽くため息をついた。自分のすぐ傍らでは、ほろ酔い気分で芸者と戯れる者達。
あちら側では、この宴会を催した山県が、重役の者達と何やら真剣な顔つきで向き合っている。

山県に誘われたこの宴会。つい先日強盗を捕まえた剣心に、その手柄のお礼と、挨拶にと、山県から声が掛かった。昨日は山県と他数名の重役だけの小さな宴会だったが、今日は浦村署長をはじめ、人数が多い。


こうしてここに座って、もう何時間も経つようにさえ思う。

 -薫殿は、もう寝てしまっているだろうか・・・-

気づけば、考えるのは家に残してきた妻の事ばかり。

彼女は今何をしているんだろう。もう風呂に入った頃だろうか。1人で寂しい思いはしていないだろうか。
彼女もこの同じ満月を見上げているのだろうか。

 

  -・・・早く逢いたいー


剣心はもう一度ため息を吐いた。


**************
 

あの日

あの五月十四日


あの日も蛍が舞っていた

泣き崩れてしまった私を なぐさめるように


蛍たちは ゆらゆらと。


私の涙は ぽろぽろと。


 


どこからか烏の鳴き声が聞こえてくる、淡い橙色の空。

夕暮れ時、近くの川原を何気なく散歩する。暑い陽射しが照りつけていた日中と打って変わり、涼しいこの時間が薫は好きだった。

さらさらに乾いた地面を一歩一歩、ゆっくり踏みしめる。静かな川の流れの音とともに、虫たちの声が草むらから響いてくる。

頬に当たる初秋の風が気持ち良い。


もっとも、薫がこの時間のこの散歩が好きな理由は、もう一つあって・・・。
♥ magic




「え?!お前、本気かよ?!」





 


夢をみた。

淡い桃色の景色。

ああ、もうすぐ・・・・

もうすぐ。

 

 



「やっと全部干せたでござるな。」

風になびく洗濯物を見ながら、剣心が額をぬぐった。

「ええ。これでスッキリしたわ。」

薫が満面の笑みを向ける。
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